チーズフォンデュ

ある男性とお付き合いする前。

なぜかあるとき、チーズフォンデュの話でとても盛り上がった。
お互い、無理した結果、生まれた話題なのかもしれないけれど、
一緒にチーズフォンデュをしたいね、という話になった。

正直、そんなにチーズフォンデュには興味がなかった。
その少し前、高校の先生に連れて行ってもらったお店で、フォンデュを食べていたからだ。

その人は、

「うちにセットがあるよ！今度一緒に！！」

という。

「そうですね」

と私も返す。

ところが、大して興味のなかった私はそのまま放置していたのだ。
「都合が合わなくて･･･」などと嘘で断り続けていたような気がする。

そのまま、フォンデュのことはなかったことになり、
いつの間にか私とその人は付き合うことになった。

そして。
恋人同士の関係が終わる頃･･･
その人は、実はね･･･と切り出した。

「一緒にやりたくて、あのとき、こっそりセットを買ったんだよ。」

―――そうだったんだ。
ちょっとだけ、罪悪感が芽生えた。

「結構高かったんだ。」

その人は、テレビ画面を見ながら、そう言って笑った。

それからまもなく、私とその人の「恋人同士」というやつが終わった。





その人は、今、人生のパートナーに変わった。
昨日も、今日も、明日も。
いやなことを我慢しながら、がんばって戦ってくるヒーローだ。
私はその帰りを、夕食とともに待つのだ。

ふと思った。

「今日はハロウィンだな。」

そういえば、今年は一緒にハロウィンパーティーをすると張り切っていたな。

よし。

「今日は、チーズフォンデュにしよう」

そして、足早にチーズ売り場へと向かう。
“その人”が喜ぶ顔を思い浮かべながら･･･。


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昨日はチーズフォンデュで、2人でパーティーをしました。
結婚して以来、いいことばかりじゃないです。
むしろ、辛い･苦しいことの方が多い日々です。
でもそれは、2人が一緒になった証拠でもあるのかな、と笑顔で乗り切る日々なのでした。
今日はなんとなーくエッセイ風？な日記です。